”新しいレコード聴きにこない?”
設計事務所に入ったばかりの江藤さんのアパートは、商店街からちょっと離れたところにある。
ジャズを教えてくれたのは彼だ。
あの頃のみんなといえばラジオから流れるビートルズの新曲にわくわくしていた。
僕はフォークギターにのめり込んでいた。
サイモンとガーファンクルをコピーしようとなぞ
無謀な企てをしていたけど。
江藤さんに教えてもらったのがジャズ。
いかれた。のめりこんだ。
レコードはポールウインターコンソートのロード。
1曲目のイカルスはラルフタウナーギターのアルペジオから始まる。
グレン・ムーアのベースのアルコ弾きでテーマへと変わる。
そしてポール・マッキャンドレスのオーボエが重なり広がりを見せる。
コンサートホールの残響音がここちよい。

江藤さんがたてたサイフォンコーヒーを飲みながら”いいだろ”の言葉にうなづく。
なにせ聴いたことの無いジャンルだったから。
ジャズなのにクラッシク、フォークソング。。。
ニューエイジミュージックのはじまりなのだそうな。
ロックだとかフォークだとか言ったジャンル分けすることの無意味さを感じてしまった。

Ralph Towner Icarus
イカルスの作曲者のラルフタウナーのコラボレーション
オリジナルの雰囲気とはちがうけれどいい感じ。

イカルスは朝の静かな海にゆっくりと翼を広げゆったりと飛翔をはじめる。
そんなかんじ。
淡い色の水彩画。
空と海の色が混じり合ってそこに光の筋が走る。
イカルスは解けるように混じり合いそこから切り離されていく。
ギリシャ神話では太陽に向かって焼け落ちてしまうのだけど。

Paul Winter Consort / Road / Icarus
スイングジャーナル誌 1971年録音賞(海外)
金賞はウエザー・リポート / ウエザー・リポート
そんな時代か。


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